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【亀之物語】 第二章 その六「亀田富染工場二百周年」

亀田富染工場二百周年


 四年前、兄は突然「わしは引退する。お前が社長やれ。これは軍の命令や!!」と私に命令し、〝くそまじめ〟な私は断ることができませんでした。なので〝くそまじめ〟に言います。
「パゴンが世の中にある意義、それは日本の伝統や文化、技術の承継と発展に寄与することです。それができなかったら、パゴンは世の中に要らないものになり、消滅してしまうでしょう。しかし、あらゆる事象が早く変動している今、前章『不易流行』にも記しましたが、変えてはいけないこと、変えなければいけないこと、対立する双方を両立し、変動に対応するパゴンであれば、消えてなくなることはないでしょう。一〇〇年後、亀富が二百周年を迎える日、私はこの世の中にいませんが、パゴンが世の中に存在し続けていられるよう、末永く、末永く、よろしくお願い申し上げます」