古代中国思想では雲上には陽の気と陰の気が混ざりあい、物事が生まれてくると考えられていました。そしてその雲の中から龍が生まれてきたのです。
中国では雲は天界に属するものであり、雲気が立ちこめるところは天を表し、単なる自然描写ではなく霊雲として吉祥の意味が込められています。中国の皇帝の象徴である龍は常に雲と共にあり、日本でも雲龍文として定着した柄です。
龍は変幻自在の想像上の霊獣で、日本では大地と水を支配し、雲に乗って空中を飛翔し収穫や悪疫の除災を司るとされています。また、水神としてあがめられ、農耕と深く係わってきました。春分の頃に天に登り雨を降らせると考えられていました。