鞍馬の大天狗
京都で天狗といえば鞍馬山を連想するのではないでしょうか。
鞍馬山は京都府京都市左京区にある京都屈指のパワースポットとも言われる山岳の霊地であり、天狗伝説の発祥地と言われます。
650万年前に大天狗のもとになったと言われる護法魔王尊が金星から降臨したという伝説や鞍馬の大天狗が牛若丸に兵法を伝授したという伝説など古来より語り継がれています。
鞍馬寺の本尊は毘沙門天王、千手観音菩薩、護法魔王尊の三身を一体化し「尊天」と称しています。
そのうちの護法魔王尊が鞍馬の大天狗のもととなったと言い伝えられており、鞍馬寺の本殿金堂の西側の光明心殿に祀られています。光明心殿の内部にある護法魔王尊像は、鼻は高く背中には翼があり、いかにも天狗様といった姿をしています。
鞍馬寺では天狗のうちわに見立てた「降魔扇」というものがあります。
「鞍馬山護法魔王尊のお持ちものを縮小した この羽うちわは、一切の魔障を摧破し、よこしま羽を正しいことにむかわしめる、清めの御力を授け給う」と説明があり、このうちわを仰ぐと魔を祓うことができるというもので、縁起の良いものとして授かることができます。
「てんぐのはうちわ」
天狗の持つうちわは、持つだけで厄除けの強力な力があるとされています。
そのうちわに似た「八手(やつで)」という植物は別名「てんぐのはうちわ」とも呼ばれます。
八手は日本原産の植物で、大きく掌状に裂けた葉をもちます。「八手」に八とあるからには8つに裂けていそうなものですが、実際は7枚、9枚と奇数に裂けているものがほとんどで八手の八とは”多い”という意味を表します。
天狗が持つのは「羽団扇」や「葉団扇」だったりしますが、「羽団扇」とするものが多く羽の数は9枚、11枚、13枚と奇数とされています。「羽団扇」に似ていることから八手を別名「てんぐのはうちわ」と呼ぶのでしょう。
そのことから八手は魔除け効果があると言われています。
また、八手の葉は人の掌に似ているため、それがまるで手招きしているように見えることから人を呼び込む力があると言われており、店舗の入り口や玄関先に置くことで千客万来の縁起物として親しまれています。
今回Pagongの新柄として登場した「鞍馬天狗のうちわ」は、
八手が「てんぐのはうちわ」と呼ばれることから、八手の葉に団扇の持ち手を組み合わせたPagongオリジナルの柄です。八手の大きな葉から受ける熱帯的な印象を活かしつつPagongの定番商品ともいえるアロハシャツにも合うハワイアンなテイストに落とし込みました。
天狗がうちわを仰ぐとおおきな風が起こり魔を祓うとされているように、身にまとうことで自分自身を浄化して邪心を清めるとともに運気が上昇するかもしれません。