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竹に花尽くし

竹に花尽くし

竹に花尽くし

四季折々の草花の背景に竹と観世水が描かれたこの柄は、昭和40~50年代に作られた比較的新しい振袖の柄を復刻したものです。
四季の花々はそれぞれの咲き誇る季節をあらわすだけでなく、吉祥の意味合いを持つものがあります。
吉祥とは「よいしるし」「めでたいしるし」のことです。

牡丹は富貴花と呼ばれ富を手にすることができると言われています。
菊は奈良時代に不老長寿の薬草として中国から伝わり、重陽の節句(9月9日)に菊を酒に浸した菊酒を飲むと延命長寿のご利益があるとされています。また梅は百花に先駆けて厳冬に咲く姿から、中国では、逆境に耐える強い木として人の生き方の理想とされてきました。
背景に描かれた竹は抽象的なシルエットで表されていたり、輪郭の中に様々な模様が散りばめられています。
竹はまっすぐで節は固く強く、風雪にも屈せず、常に緑を保つことから高潔な人格の象徴であるとされています。
また春に竹の子として地面に頭を出すと、みるみるうちに伸びて若竹になることから、成長の象徴でもあります。勢いよく成長する一方で中は空洞になっているという不思議な形状に古代の人々は神秘性を感じていたようです。
平安時代に書かれた「竹取物語」では主人公のかぐや姫は、節と節のあいだのそのぽっかりと空いた空間で育ち、竹取の翁が見つけて連れ帰ります。節と節のあいだの空間の事を「節」と呼びますが、もしかするとその空間は神の国と人間界を繋ぐ場所だったのかもしれませんね。
観世水は千変万化する水をモチーフにした文様の中でよく知られたもののひとつです。
また竹のシルエットの中に描かれたうろこ状の模様も水をモチーフとした伝統的な文様で青海波といいます。青海波は繰り返し押し寄せる波の悠久の動きを文様化しており、無限に広がるイメージから永遠を意味する吉祥文様です。
古来、人は自然と共に生き、自然の中に吉祥を感じ取り生活してきました。時代が変わっても自然の持つ吉祥の力を文様に込めようとした人々の心は現代まで伝えられているのです。

 


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