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獅子毛唐草
獅子毛唐草

唐草は、エジプト、メソポタミア、ギリシャなどに起源をもつ蔓草文様です。シルクロードを通って中国に伝わり、そこから日本に伝来しました。唐草自体は実在する植物ではなく、蔓が渦巻き状に絡み合う様子は、蔓性の植物である葡萄などをモチーフにしたものです。蔓草の、生命力が強く、蔓をどこまでも伸ばすイメージから、唐草文は長寿延命・子孫繁栄を象徴する吉祥文様として用いられています。
この柄では、獅子のたてがみをイメージした形で唐草が描かれています。

獅子はライオンのことで、古代ペルシャで太陽や王の象徴とされたことから、太陽の力を宿す架空の動物、聖獣として中国から伝えられました。ライオンを知らない日本人には、実在する動物としてではなく中国風の架空の動物、唐獅子として受け入れられ、その姿も色々に描かれることになります。

太陽は、あらゆる生命にとって必要なものとして世界各地で信仰の対象とされ世界各地で崇められてきました。日本で太陽を象徴する神はアマテラスオオミカミですが、天岩戸隠れの伝説は大変有名です。アマテラスオオミカミが岩戸に姿を隠したため、世の中から光が失われ、様々な災いが起こります。アマテラスオオミカミに岩戸から出てきてもらうために、多くの神々が集まるのです。こうした伝説からも、太陽が全ての生命の源と考えられていたことがわかります。

太陽の力を宿すといわれる獅子のたてがみをモチーフにした唐草の柄が、末永く続く繁栄と光輝く明るい未来を与えてくれるかも知れません。