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流水四季草花図

流水四季草花図

流水四季草花図

色とりどりの草花が描かれたこの柄は、東京国立博物館所蔵酒井抱一「流水四季草花図屏風」の右隻を、許可を得て友禅染めで表現しました。
「流水四季草花図屏風」は二曲一双で、右隻には春夏の草花、左隻には秋冬の草花が描かれています。
パゴンでは春夏の花が描かれた右隻を、琳派らしい金屏風の、金箔の継ぎ目の面白さをそのままに表現しました。

酒井抱一は、江戸時代後期に活躍した江戸琳派の祖といわれる人物です。
姫路藩主酒井家の次男として江戸で生まれ育ちました。文芸に理解者の多い酒井家にあって、若いころから俳諧や茶の湯に親しみ、狩野派や浮世絵を学びました。37歳で出家し武家の身分から解放され、市中の人として好きな芸術や文芸に専念し、尾形光琳に憧れ、積極的に模写をして画風を学びました。かつて酒井家に一時、光琳が仕えており、その作品が残っていたことも光琳学習に幸いしたのではないでしょうか。文化12年には光琳百回忌を営み 「光琳百図」を発行して、江戸での光琳様式の普及に努めました。

抱一が活躍した江戸時代は、園芸は、野草が園芸品化されたり、斑入りの草木や変化朝顔が流行するなど、独自の展開をとげ、当時の世界トップレベルにまで発展しました。
身分の上下、貧富にかかわらず、広い層の人々が園芸に深い関心を持っていました。そんな時代の中で描かれたこの屏風には、当時人気のあった、今ではもう目にしなくなった園芸植物も描かれています。寒い冬を経て、大地の中から勢いよく目覚めた春草たちは、まるで山野の一部を切り取ったかのように生き生きと描かれています。
屏風の中で春から夏へと花は移り、夏の気配まで漂ってきます。中央を流れる水は森羅万象の象徴であり、穢れを清めるものとされ、春を彩るつくしやタンポポは繁殖力の強さから子孫繁栄を、夏を彩る鉄線は強靭なツルが結びつきを強めるとされ恋愛成就や夫婦円満の縁起を担がれました。また、百花の王とされる牡丹は富貴繁栄を、四君子のひとつである春蘭は草木の中の君子と讃えられる高潔な花です。
さまざまな願いのこもった美しい花々の柄で、琳派を纏ってください。

東京国立博物館 蔵 酒井抱一「流水四季草花図屏風」Image:TNM Image Archives
※ 許可なく複製することを禁止とする

琳派は、本阿弥光悦、俵屋宗達を始まりとし、尾形光琳、酒井抱一に代表される一派です。
桃山時代末期に京都の裕福な町衆の経済力と進取の気風を土壌に誕生し、絵画の世界だけに留まらず、衣装、漆芸、陶芸、屏風、扇子など生活に密着した工芸の世界にも波及しました。
琳派と呼ばれる絵師たちには基本的に血縁関係などの強い結びつきはなく、生まれた時代も隔たっています。先人の作風に尊敬の念を抱き、時代を超えて受け継いでできたアーティストの系譜といえます。

 

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