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雲立涌

雲立涌

雲立涌

雲立涌に藤菱と鳥の丸文が配されたこの柄は代表的な有職文様のひとつで、明治時代の打掛けでした。
有職とは本来「有識」の意味で、平安時代における公家階級の人々が教養として日常心得ているべき宮廷関係の儀式や年中行事、これに附随する装束・調度に関する一連の知識をいいます。平安時代より公家階級の装束・調度品・輿車などの装飾に用いられた伝統文様をまとめて、近世以後「識」が「職」の文字となり有職文様と呼ばれるようになりました。装束に使用される有職文様は、主に天皇や公家が朝廷で身につける正装の織り文様で格調高い模様です。位階・家格によって柄が決められておりました。これらの多くは随・唐から伝えられた文様を、日本人好みにアレンジしたものです。

立涌文様は向かい合ったニ本の曲線で、中央は膨らみ両端がすぼんだ形に構成した幾何学模様です。立ち昇る水蒸気に見立てたとも言われております。膨らみの部分に雲を配したものを雲立涌といい、特に親王・摂政関白など身分の高い貴族の装束に用いられた格調高い文様です。
藤は古くから日本に自生する植物で、華麗な房状の花が観賞用として親しまれてきました。平安時代後期には栄華を欲しいいままにした藤原氏の象徴として尊ばれ、高く格付けされました。向かい合った藤の花を菱型にしたのが藤菱で、鳥を丸く構成したものが鳥の丸文です。
鳥は鳳凰です。鳳凰は空想の鳥で鳳凰が飛ぶと百鳥が群れ従うとも言われます。鳳凰は名君が現れ天下泰平の時にこの世に姿を表す瑞鳥です。鳳凰は桐に住み竹の実を食すと言われ桐竹鳳凰の組み合わせは天皇しか使用出来ない模様でした。
以上のようにこの柄は大変格式高い有職文様で、織で作られた模様をパゴンでは友禅で復刻しました。雅びな格調高い貴族の雰囲気を味わってみてください。

 

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