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雲取格天井
雲取格天井

格天井とは、天井の組み方の一つで、天井の淵を格子状に組んだものをいいます。最も格式の高い天井様式とされており、格子の中には四季の花々など華やかな絵柄が描かれます。

格天井文は、寺社仏閣の天井絵を衣服の文様として取り入れた物で、極楽浄土を象徴する意匠として描かれています。立派で美しく、重厚な雰囲気のある柄行きから礼装用の着物や帯に使われています。

格天井の上には雲の形を写した雲取文が重ねられています。雲取文は雲の形を、円弧を連続させて表した文様で、雲を重ねて空間や場面を区切る方法としてよく使われています。また、雲はその日の天候を左右する大きな力をもつ不思議な存在であることから、神や霊が宿っていると考えられ、吉祥を表す意匠とされていました。

さらにその上には細くゆるやかな半弧形で、草を見事に単純化した芝草文が描かれています。
この雲の隙間から覗く格天井には四季折々の花々が描かれ、まるで現世から極楽の別世界を垣間見ているようです。