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孔雀輪つなぎ
孔雀輪つなぎ

孔雀が尾羽を大きく扇状に広げて華麗に振る舞う美しい姿は、古来より尊厳のある鳥として崇められてきました。孔雀はあの美しい姿からは想像がつきにくいのですが、毒蛇やサソリなどを制して食べるほどの気性を持ち合わせています。古代インドでは、その気高さを称えて仏様を守る孔雀明王として奉られました。他の明王と違い、憤怒の相をとらず慈愛に満ちた表情で、毒を制する事から厄災や苦痛を取り除き浄化する女神とされ、人々の信仰の対象となりました。また、古代中国では、九徳(仏陀が備えた九つの徳)を生まれながらにして備える瑞鳥として崇められました。

孔雀が日本に伝わったのは奈良時代のことで、日本でも毒よけ、悪よけに使われており、貴族の家に祭られ信仰の対象として扱われていました。
古来より珍獣の一つとして人々の関心を惹きつけてきた孔雀は、桃山時代の南蛮貿易が盛んな時期にも日本へ持ち込まれ、その美しい羽をあしらった貴重な装飾品などは織田信長や豊臣秀吉といった天下人達にも愛されたそうです。

衣装の図柄に広く使われだしたのは江戸時代以降の事で、災いを退ける吉祥文様として婚礼衣装の柄に現在も受け継がれています。その美しさから重厚な表現で描かれる事が多い中、この柄の孔雀は簡素化されモダンにアレンジされています。丸い輪を繋げた幾何学的な文様は古代からある基本的な文様構成の一つです。永遠に続く・どこまでも広がっていく様子から永続性を表しています。
長く厄災から身を守り、安寧に過ごせますようにという願いが込められた柄です。