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孔雀と睡蓮
孔雀と睡蓮

2016年に引き続き、木村英輝氏の作品がパゴンの友禅柄として登場します。2008年3月、京都祇園の広東料理の名店の壁画として描かれた作品です。

孔雀は、その美しさから世界各国で意匠化し文様とされています。インドでは猛毒の蛇を食すことから、毒をとり除く力があるとされ、厄除けをはじめ各種の縁起が担がれました。また中国では九徳をそなえる瑞鳥とされ牡丹とともに描かれました。日本に伝わったのは奈良時代ですが、きものの文様として広まったのは江戸時代です。華やかな吉祥文として婚礼の打掛や小袖に用いられます。
睡蓮は、5月~7月に咲く花です。開花から3日、花が咲いて閉じるを3回繰り返して花の寿命は終わります。日中に花びらが開き午後には花が閉じてしまうことを人間に例えて「睡眠する蓮」ということで『睡蓮』の名がつきました。こうしたサイクルと放射状に広がる花姿から古代エジプトでは太陽のシンボルとされており、神話などにもよく登場します。神聖な花にちなみ「信仰」といった花言葉をもっています。
神聖な睡蓮の花と瑞鳥・孔雀が大変おめでたい取り合わせです。木村氏ならではの大胆な構図がパゴンの京友禅の世界観を大きく広げてくれています。