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蝙蝠と菊水
蝙蝠

中国では蝙蝠(こうもり)の撥音が「福」の撥音と同じであることから縁起のよい動物とされています。また、蝙蝠が虫(蚊を)食べてくれる事から、蚊帳(かや)に蝙蝠の絵を張り付けたり、戸口に張り付けたりもしていました。
日本では蝙蝠の事を古くは「かわほり」といいました。紙扇の原形で形がこうもりに似ている事から「かわほりせんす」といわれるものがあり、こうもりは扇子の末広がりにも通じ、おめでたい柄として着物柄にふさわしいものなのです。この柄は蝙蝠の形の中に小紋柄が描かれており、蝙蝠取(こうもりとり)とでもいいましょうか。

菊と水が組み合わされた菊水は延命、長命の水という意味を含みます。菊水は養老の水と言われるように菊に含まれる薬効を含んだ水で、これを飲んで長生きをしたという故事が残っていたり、謡曲「菊慈童(きくじどう)」の原形にもなっているのです。