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紅白段桜花文摺箔
紅白段桜花文摺箔

2020年、パゴンは「桃山モード。それは凛とした可憐さ。」をコンセプトテーマに林原美術館が収蔵する能装束の世界観を現代のライフスタイルにリファインし京都から発信する京都市産業技術研究所のプロジェクトに参加しました。
桃山時代の京都は、世界に開かれた時代感覚の中で西洋文化を積極的に受け入れ、今につながる多くの伝統文化を育んだ変革期でした。この時代の優品を核とする林原美術館収蔵の能装束より「紅白段桜花文摺箔」をパゴンの京友禅で表現しました。「桃山モード」は、この柄のもつ優美で可憐なイメージをベースにしています。

紅白段桜花文摺箔

林原美術館収蔵の能装束より「紅白段桜花文摺箔」

この柄がもともと描かれていた「能装束 摺箔紅白段桜花文」は、国指定重要文化財です。上半が紅白染めの片身替り、胴以下は紅白の裂地が段々に縫い合せられていますが、当初は全体に片身替りだったものを江戸初期に胴以下を段々に改装したものであることが分っています。紅白の地に、金箔の模様すり出しであらわされた枝垂れ桜は、肩から悠然と垂れる大ぶりの花や葉と、繊細な枝とがきわめて対照的に描かれており、色彩、文様とも桃山時代の特色の強い優品です。小袖は、桃山時代に上流階級の女性から愛されたことで時代のモードとなり、能装束として定着しました。段替りのデザインからは、時空や感情の変化が感じられ、また可憐に咲く桜花からは、時に凛とした女性を想像させます。色彩、文様とも桃山時代のあふれるような若々しさや力強さをよく表しています。