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糸菊に木蓮
糸菊に木蓮

菊は、日本の秋を代表する花です。中国原産で奈良時代に薬草として日本に伝わったといわれています。
日本では、平安時代より薬としてだけでなく、観賞用としても人気があったようです。糸菊に木蓮江戸時代には園芸ブームが到来。ほかの多くの草花と同様に、菊の品種改良も加速していきました。さらに幕府が五節句を正式に制定したことで、菊の人気が急上昇します。五節句のうち「重陽の節句」では、菊の花びらを散らした菊酒を飲み、長寿を祈るのです。
明治時代になると直径18cm以上の大型の菊が流行するようになります。「厚物」「大掴み」「管物」「一文字」などの種類があります。管物菊は細長い管状の花びらが放射状に咲くのが特徴で別名「糸菊」や「細菊」と云われます。
まっすぐに伸びた花びらの花弁の先が毛玉のように丸まっている様子がダイナミックに表現されています。

ともに描かれている木蓮は、春の花です。木蓮もまた中国原産で、蓮やランとも並んで高貴な花とされてきました。また木蓮は、地球上でもっとも古い花木だと言われています。太古の昔からずっと変わらないその姿から「持続性」という花言葉もあります。

秋の花「菊」と春の花「木蓮」がともに咲くことは現実にはありえない情景ですが、この柄では一つの構図の中にふたつの季節を取り合わせて描いています。
古くから長寿の象徴とされている菊と、はるか昔から姿を変えず咲く木蓮を取り合わせ、大胆に表現したこの柄。長寿や若返りのご利益をより強く受けることができるかも知れません。