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池見草

池見草

池見草

京町絵師 冬奇(深谷冬樹)氏の作品をパゴンの京友禅の世界に表現しました。「池見草(いけみぐさ)」とは蓮の別称。この柄では大胆な構図で蓮の花が描かれています。蓮は、飛鳥時代に仏教伝来とともに朝鮮から渡来したとされています。泥沼に根をはって花を咲かせる姿が俗世の色に染まらない清らかさの象徴と考えられ古くから貴ばれてきました。また泥の中に根をはり花の後には多くの実をつけることから繁栄にも通じるとされています。
蓮の陰から顔を出しているのは、蛙です。蛙は語呂合わせから「帰る」「返る」「変える」「孵る」に通じるとされ、さまざまな縁起に通じるとされています。『銭蛙(お金が帰る)』『若蛙(若返る)』『無事蛙(無事に帰る)』など庶民的な縁起担ぎにも登場し、馴染み深く感じる方も多いのではないでしょうか。オタマジャクシから姿を変え成体となる蛙は再生や蘇生の象徴でもあり、また雨が降ると地上に現れることから豊穣にも結びついているとされました。このように蛙は、さまざまな縁起につながるおめでたい柄です。
蓮花のそばには蜻蛉の姿もあります。日本書紀には「トンボの飛ぶ豊かなよい国」という意味で、日本を「豊の秋津国(ゆたかのあきつくに)」と呼んだとあります。「秋津」はトンボを表し、ここからも古い時代から蜻蛉が日本人に親しまれてきたことが分ります。近代にいたっては水辺を思い浮かべる涼しそうな柄として夏の着物や浴衣の柄としても使われています。
墨絵で切り取られた水辺のワンシーンが幻想的な雰囲気を醸し出す「池見草」の柄です。

 

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