この柄は大正時代から昭和にかけての婚礼衣裳です。大変豪華で素晴らしい物で、その柄の一部を復刻した物です。当時の婚礼衣裳は黒地に裾模様で、その柄の入れ方により関東風、関西風と分かれていたようです。
この図柄は新しい門出を祝うに相応(ふさわ)しい柄になっております。遥か東の海にあると言われる理想郷である蓬莱(ほうらい)に続く大海に舟は漕ぎだして行きます。婚家が蓬莱でありますようにと祈ります。海に浮かぶ杭(くい)は舟をつなぎ止めておく杭でしょうか。娘が結婚後も裕福に暮らせますようにとの思いが牡丹の花に込められているのでしょう。
雪輪模様(ゆきわもよう)も見えます。冬には雪が降り積もり、春になると雪解けの水が川に流れ出し、大地に染み込み、春の農作業に豊かな恵みを与えてくれるのです。雪輪は豊作に繋がる模様なのです。