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花うさぎ

花うさぎ

花うさぎ

幼い頃、満月を見て「うさぎが餅搗(もちつき)をしている」と教えられ、月にはうさぎが住んでいると信じていた方も多いのではないでしょうか?
中国では月には不老不死の霊薬(れいやく)を搗(つ)き続ける「うさぎ」と「がま」が棲み、枯れる事のない「桂の木」がはえているという伝説があります。その伝説が日本に伝わった時、がまと桂の木は排除されうさぎだけが残ったのではないかと考えられています。
十五夜を望月(もちづき)という事から「もちつき」の音に似ているためうさぎが餅搗きをしているイメージになったようです。
また古代インドの仏教説話に、燃え盛る火に飛び込んで我が身を捧げたうさぎを憐れんだ帝釈天(たいしゃくてん)がその姿を月の中にうつしとどめ置かれた。月の表面にある雲のようなものはうさぎが身を投じた火の煙であり月の中にあるうさぎはこのうさぎである、とあります。

うさぎが盛んに文様として使われるようになったのは桃山時代以降で、豪商の角倉了以(すみのくらりょうい)が愛用した名物裂(めいぶつぎれ)「花兎金襴(はなうさぎきんらん)」が有名です。
花うさぎとはドーム型に花柄があり、その中に作り土と呼ばれる盛り土の上に前足を浮かし気味に、後ろを振り向いているうさぎの柄です。
名物裂とは鎌倉時代以降、主に中国の宗・元・明から貿易によりもたらされた最高級の織物で掛物の表装(ひょうそう)や茶の湯道具や茶碗を入れる袋、袱紗(ふくさ)などにする裂地(きれじ)で名物の器具を包む布という意味です。
花うさぎの周囲にある柄が菊唐草(きくからくさ)という文様です。唐草文はエジプトで誕生しシルクロードを経て仏教美術の文様として日本に入ってきました。
唐草は実際には存在しない植物です。蔓(つる)がからみ合ってどこまでも伸び、生命力旺盛で無限の発展性を示す事から、長寿延命・子孫繁栄の象徴とされています。日本では仏教美術として渡来した唐草文は工芸品にも多く使われ、蔓を持たない菊や梅などの花まで巻き込んで発展していきました。

うさぎは前進するのみで後退はできませんし、ぴょんぴょんと飛び跳ねることから飛躍するといわれます。また、ツキ(月)を呼ぶ、福を招くとされ縁起のよい動物と考えられています。花うさぎの柄を身に纏(まとい)、ツキを一杯呼び寄せ、前向きに大きく飛躍してください。

 

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