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ぼんち柄
ぼんち柄

 男の子が好みそうな物を題材にした、昭和初期の男児用の柄で、「ぼんち柄」と呼ばれています。背景には江戸時代の武士の正装であった熨斗目小袖(のしめこそで)のように無地の部分と柄の部分(縞・格子)が段に構成されています。武士の熨斗目小袖は裃(かみしも)をきた時、肩の部分は無地、腰明(こしあき)の部分から格子柄が見えるというものです。
テレビで見る時代劇の武士の衣裳を想像してください。登城する時、そんな着物を着ていませんか。その熨斗目構成の上に子供らしい柄が描かれています。犬や象の描き方が何とも言えずレトロです。犬はかわいいという意味合いもあるのですが、犬を飼うという事が子供の情操教育に通じ、「ポチ」と名付けられるような洋犬(ポインター)を所有することが文化的生活のステータスとされていたのです。

象は大きいもの強いものを象徴しています。当時、男児の着物柄は新しい乗り物、蒸気機関車、汽船、軍艦、気球などが描かれていました。当時としては男の子の憧れの乗り物だったのでしょう。ラッパや旭日旗(きょくじつき)、軍艦など、軍国色が濃く、男子は強く勇ましくという気概が感じ取れます。
ブリキのジョーロとラッパ、紙風船は懐かしく感じられる方も多いと思います。ジョーロには青海波が、紙風船には市松模様と唐草(からくさ)模様が描かれています。
青い空にもくもくと入道雲があり、またジョーロもあったりで真夏のイメージがします。