2020年、パゴンは「桃山モード。それは凛とした可憐さ。」をコンセプトテーマに林原美術館が収蔵する能装束の世界観を現代のライフスタイルにリファインし京都から発信する京都市産業技術研究所のプロジェクトに参加しました。
(林原美術館収蔵の能装束より「段片身替りに雪持芭蕉文縫箔」)
桃山時代の京都は、世界に開かれた時代感覚の中で西洋文化を積極的に受け入れ、今につながる多くの伝統文化を育んだ変革期でした。この時代の優品を核とする林原美術館収蔵の能装束より「段片身替りに雪持芭蕉文縫箔」をパゴンの京友禅で表現しました。
雪が降らない南国の芭蕉に雪が降り積もる…。現実にはない景色「奇跡」を表現しています。雪持文は、しなやかな枝葉が雪の重みに耐える様を写し、やがて積雪を跳ね返し立ち直る弾力性と、静かに芯の通った生命力で春を待つ「心」が込められています。重みを与える雪には、豊富な雪解け水に恵まれ、稲作が実ることから豊年の瑞兆とされています。