大正から昭和始めにかけての一般的な女性の羽裏や長襦袢(ながじゅばん)、帯皮(おびかわ)などに使われた柄です。
正六角形を基本とした幾何学的な模様を、その形が大麻の葉の形に似ていることから「麻の葉」と呼んでいます。既に鎌倉時代から建造物や器物などにも麻の葉文様は使われていたようです。
麻は丈夫で真直ぐに伸び、成長が速い事から健やかな成長を願い、産着(うぶぎ)や子供の着物の文様に多く用いられました。ここでは麻の葉が連続文様としてではなく、単独で用いられ、全体を描かず「破れ麻の葉」となっており、古典模様を使いながらも動きのあるモダンな印象を与える図柄となっております。梅は松、竹と並んで、おめでたい柄として使われますが、ここではあえて捻り梅(ねじりうめ)という動きのある形にし、モダンさを強調した柄になっています。