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朝顔狗子図

朝顔狗子図

朝顔狗子図

円山応挙は、江戸時代を代表する絵師です。現代まで続く「円山派」の祖であり、見たものをそのまま描く写生術、リアルさにこだわった画風が特色とされています。その卓越した技術力で多くの作品を生み出した応挙は、当時の京都で当代随一の人気絵師として知られていました。
そんな応挙は、多くの犬を描き、特に子犬を好んで描いたと言われています。さまざまな仕草や表情で描かれる子犬たちは、どれも非常に愛らしく、心惹かれるものばかりです。

パゴンで今回取り上げる「朝顔狗子図杉戸」は、応挙の卓越した技術で描かれるリアルな朝顔と可愛らしい姿の子犬が大変印象的な作品です。
完成度の高いこの作品において、子犬の毛並の描写は徹底しており、毛の一本一本がごくごく細い線で描かれています。
この作品を京友禅で表現するにあたり、さわったら柔らかそうなこの毛の質感を、できる限り染めでも再現したいと色々な方法を模索しました。ぜひお洋服でその出来上がりをご覧ください。

犬は安産で沢山の子供を産み、その子達は丈夫に育ちます。そのため、犬の柄は安産子孫繁栄の意味を込め女性の着物や、また犬の可愛さから子供の着物にも使われてきました。
昔から妊婦が戌の日にお腹に「岩田帯」と呼ばれる腹帯を巻いて安産を祈願する「帯祝い」の風習があります。
今も、この風習は続いており、戌の日に神社で腹帯を授かり安産祈願を行います。また犬は、聴覚や嗅覚が優れ小さな音にも気が付くことから魔を遠ざけるともいわれます。
朝顔は、遣唐使が持ち帰ったとされ、中国では牛と引き換えになるほどの高値で取引されていたため「牽牛子」とも呼ばれました。種子には下剤や利尿剤の効能があるため、おもに薬用として使われており、そのため朝顔の柄には健康への祈りが込められたと考えられます。日本では、江戸中期から観賞用として栽培されるようになりました。江戸後期には朝顔のブームもあったようです。江戸時代中期~後期は、応挙の生きた時代です。もしかしたら、応挙も朝顔の流行をこの絵の中に取り入れたのかも知れませんね。

東京国立博物館 蔵 円山応挙「朝顔狗子図杉戸」Image:TNM Image Archives

 

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