100周年に向けて今年もさまざまな柄を友禅染で復刻しているのですが、そのうちの一つ、北斎の型が上がってきました。
晩年83歳を超えて、小布施を4度も訪れた北斎が
祭屋台の天井に描いた肉筆画・怒涛図 男浪を信州小布施 北斎館許可のもと復刻しました。
以前に復刻した神奈川沖浪裏の浮世絵とは違い肉筆画なので、どこまでも続く波の奥深さを表現するのに試行錯誤しました。いつもお願いしている伝統工芸士の型屋さんと何度もやりとりを交わして、やっと型が完成しました。
北斎が晩年を過ごした長野県 小布施町には、
豪商 高井鴻山が北斎をサポートしたこともあって、数多くの肉筆画が残されています。
信州小布施 北斎館所蔵 男浪図
この、男浪は
上町屋台天井絵の2図の内の一つで
もう一つは、「女浪」が描かれており、落ち着いた波のしぶきが表現されています。
信州小布施 北斎館所蔵 上町祭屋台天井絵 女浪図
また屋台は2基存在し、東町祭屋台には「鳳凰図」と「龍図」が描かれています。
信州小布施 北斎館所蔵 東町祭屋台天井絵 鳳凰図 龍図
なぜ晩年、小布施で過ごしたのか、いろいろな説はあるのですが、
オランダ人に浮世絵や絵を売っていたのが幕府に見つかりそうになり、
江戸に居づらくなり、高井鴻山の元を訪れたと言われています。
豪商の高井鴻山によってアトリエや画材を与えられ、絵に集中することのできる環境で、
北斎は自由に肉筆画を描き、小布施には北斎の肉筆画や集大成となる作品が数多く残っています。
小布施に立ち寄られた際は、
北斎館にぜひお立ち寄りください。
北斎の肉筆画を数多く見ることができます。
信州小布施 北斎館
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