鷹(たか)は男児の産着の定番柄ともされ、現代でも七五三の着物柄として多く見る事ができます。
鷹は遥か遠くまでを見渡し、素早く獲物を見つけて捉える眼と鋭いくちばしや爪が印象的な猛々しい鳥です。その勇猛さから大名達にも好まれ、愛されてきました。
着物の柄として使用されたのは江戸時代後期に見られ、その多くは他の吉祥柄と組み合わせて使われています。この柄には鷹とともに几帳が描かれています。几帳は室内の調度品で、間仕切りや目隠しに使う屏障具(へいしょうぐ)の一つで、鷹と几帳はよく見られる組み合わせの文様です。
鷹の柄には、武将由来の勇壮さとともに、本質を見抜く眼力と幸運やチャンスを掴んで逃さないようにといった願いが込められています。
また、鷹狩りは権威や武威の象徴でもあることから、我が子の出世や大成を願う想いも込められています。