四方を海に囲まれた日本では、古来より波をモチーフにした文様が親しまれてきました。
波が寄せては返しさまざまに形を変える様子は美しく、文様としても多種多様に描かれ用いられました。「波頭文」は「立波文」「荒波文」とも呼ばれ、躍動感あるダイナミックな波の様子を描いています。
波文は、寄せては返すその様子を撃っては退く野戦での駆け引きに重ね、戦国武将の間でも大変好まれたといいます。
海神や水神にあやかって、家紋や軍の旗印、武具などにも取り入れられたこともあり「勝負運上昇」「富貴繁栄」といった意味があるとされています。また、激しく湧き上がる波の様子を描いているものは、その強さによって魔を飲み込んでしまう、とも言われます。
波をモチーフにした文様には、他にも「青海波」や「波丸文」などがあり、果てることなくどこまでも続く波のイメージから、「永遠」や「不滅」、「長寿」などを意味する吉祥文とされています。
この柄では、波の形をシンプルに描くことで、その躍動感、力強さがより強く伝わります。また、波を描いた線がどこまでも続いていることから、永遠や長寿などのイメージも感じることが出来ます。
身に着ければ、波のもつ力強さを永遠に自分のものに出来そうな「波頭」の柄です。