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草花文様
草花文様

この柄には、種々の草花が盛り込まれて描かれています。
さまざまな草や花が、ここでは写実性豊かに描かれますが、こういった写実的な柄が着物の文様として描かれるようになった背景には、友禅染めが深く関わっています。

友禅染めの歴史は江戸時代にさかのぼります。
友禅染めは、江戸中期、京都の知恩院門前で扇絵を描いていた宮崎友禅斎が創始したといわれています。友禅染が出現するまで、布に模様をつけるには、刺繍する・箔を貼りつける・絞り染・板じめなどで染めると言う限られた表現方法しか有りませんでした。
そういった既存の方法に比べ、友禅染は、絵を描くように、思いのままの絵柄を布に染められると言う、画期的な技術だったのです。
また、宮崎友禅斎がもともと扇絵の絵師だったこともあり、友禅染に描かれる絵柄は、美しい構図をもち遊び心も盛り込まれていました。
こうした友禅の歴史を基礎にして、現在まで様々なきもの図案がつくり出されています。

日本人が古来よりモチーフにしてきた自然の植物を、友禅染の技法により着物の柄として写実性豊かに表現できるようになりました。
この草花文様の根底には、友禅の歴史が息づいているのです。