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鳳凰
鳳凰

鳳凰は古代中国の想像上の霊鳥で、麒麟・亀・龍と共に四霊の一つとして尊ばれてきました。
頭は鶏、首は蛇、顎は燕、背中は亀、尾は魚に似て、羽には五色の紋があると言われています。飛べば百鳥が群れ従う鳥の王と位置づけられ、雄を鳳、雌を凰と呼び、雌雄が一緒に空を舞い、揃って鳴く姿は天下泰平を寿ぐ吉祥柄とされています。

鳳凰は桐に棲み竹の実を食し、名君の治世の時にのみ天上から舞い降りて姿を現すとされている事から、桐と竹と鳳凰の描かれた文様は名君の証として天皇だけが使用することができる高貴な文様とされていました。
武士が使用することが許されるようになったのは、足利尊氏が後醍醐天皇から下賜されてからの事で、時を経て織田信長・豊臣秀吉に与えられるなど、武士にとっては正に羨望の文様でした。

また、古代の人々にとって鳥は楽園から飛来して幸福を運ぶ吉祥の動物でした。
花や装身具などをくわえた鳥の文様を総じて「咋鳥文」と呼び、旧約聖書創世記に幸福の象徴として登場するオリーブの枝をくわえた鳩が由来しています。
この鳳凰はくちばしに瓔珞(古代インドの貴族が身に付けた装身具・又は仏像の首飾りや仏具)をくわえています。美しい鳳凰が優雅に空から舞い降り、私たちに幸せを運んできてくれるようです。