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鉢巻だるま
だるま

だるまは江戸時代に中国より伝わり、日本では「起き上がり小法師」と呼ばれる底に重りをつけた張り子の玩具として愛好されていました。そのユニークな姿は、中国禅宗の始祖・達磨法師が壁に向って9年間も座禅を組み続けるという苦行を成し遂げた姿を模しており、多くの失敗にもめげずそのたびに奮起して立ち直る不屈の精神を表し、開運出世を願う縁起物とされています。
また、だるまの赤い色には古来より魔よけの効果があると信じられていましたが、これは様々な病や災いは赤色を持って防げると考えられていたことが由来しています。だるまが普及し始めた江戸時代には、疱瘡(今でいう天然痘)が流行していました。医学が今のように発展していなかった当時、子供に玩具として達磨を与えたのはわが子を守りたいという親の気持ちが込められていたのです。

この図案では、額にきりりと鉢巻を結んだ鉢巻だるまが描かれています。鉢巻達磨はもともと京都で生まれ、愛知県の名古屋で主に作られるようになり、関西を中心とした西日本に広まりました。頭に鉢巻を巻くと身も心も引き締まります。開運出世への思いを胸に、より一層奮起する姿を鉢巻で表現しています。
どんなことがあってもそこからもう一度起き上がり、奮起しようという気持ちの大切さに改めて気付かされる、だるまさんの柄です。