この柄は昭和時代のものです。枝垂れ桜の上品で艶やかな姿を意匠化しています。枝を縦縞(たてじま)のように扱い、桜の花はデザイン化され近代感覚の枝垂れ桜模様になっています。
万葉の時代までは「花」と言えば「梅」であったのに代わり、桜は平安時代には貴族達に愛好され、「花」と言えば「桜」を指すようになりました。桜は平安の頃より現代に至るまで人の心を魅了し続けてきました。
古くは枝が下に垂れている樹木には神霊が宿ると考えられていました。地方によっては普通の民家に枝垂れ桜は植えるものではないとされ、寺の境内などに植えられていたようです。