古代中国では百花の王が牡丹、百鳥の王が鳳凰(ほうおう)、百獣の王が獅子と言われていました。鳳凰は古代中国の想像上の霊鳥(れいちょう)で、麒麟(きりん)・亀・龍と共に四霊の一つとして尊ばれました。
形は、頭は鶏、首は蛇、顎(あご)は燕(つばめ)、背中は亀、尾は魚のようになっていると言われています。
鳥の王と位置付けられ、雄(おす)を鳳(ほう)、雌(めす)を凰(おう)と呼び、梧桐(あおぎり)に棲み、竹の実を食すといわれています。聖王の出現と共にこの世に現れ、名君の治世(ちせい)の時だけこの世に滞在すると言われています。飛べば百鳥が群れ従うと言われ、天下泰平(てんかたいへい)を寿(ことほ)ぐ吉祥柄とされております。
日本でも鳳凰は王者を祝福する瑞鳥(ずいちょう)、桐・竹は高貴な木とみなされ、桐竹鳳凰(きりたけほうおう)柄は天皇の装束(しょうぞく)の専門文様として用いられてきました。現在では一般に広く使われている吉祥柄です。