Pagongではこれまで蔵に眠る図案から、型を起こしてアロハシャツを制作してきました。亀田富染工場が昔染めた柄や、他の染め屋さんからもらいうけたものなどがあります。着物の柄をそのまま洋服にしようとすると、裁断の関係上、変なところで柄が切れたり、要尺が無駄にかかったりしてしまいます。また着物の柄は素晴らしいのですが、現代の感覚に合わせて模様の間に空間を作ったり、花や葉っぱを増やしたり、減らしたりしてテキスタイルとしてリズムが出るように工夫しています。
2023年の新柄を考えるにあたり、亀田コレクションを開き、再び6000近い図案集を開きました。その中に何度も型を起こそうと寸前まで行って、途中でボツになっている柄がありました。柄は面白いのだけど、ひしめき合っていて、使いにくいということでボツになっていました。しかし、よくよく見てみると、この柄の中に私が好きな助六がいました。その他にも勧進帳の名場面や歌舞伎の主役級のキャラクターが描かれていました。これはなんとしても助六を復活させたいと!
助六とは歌舞伎十八番で「助六ゆかりの江戸桜」という演目の主役です。家宝である刀を盗まれ、仇を吉原の町で探すイケメンなのですが、彼の男らしさと、ハチマキ姿がなんともカッコイイのです!ちなみに助六が敵対する髭の意休という悪役の衣装も、松竹衣装からお借りしアロハシャツとして復刻しています。髭の意休に対して、なんとか助六をアロハシャツとして復刻したとの思いもありました。(笑)